ブログカテゴリ:家づくり



建築の話 · 17日 9月 2016
数十年前ならば結婚=どちらかの実家に入る、が普通でしたが、現在はとりあえず賃貸物件で2人の生活をスタートするのも一般的になっています。あるいは家族が増えるのを見越して広めの住まいを準備しておく人もいるかもしれません。育児に追われながらの家探し、引越しはかなりの負担になるので、早めに住まいを決定するのは賢い選択とも言えます。しかし、家族計画が想い通りにいかないケースもあり、実際に生活してわかる事も多くあります。ある程度長期の見通しが立った所で決断をしても遅くはありません。 めでたく出産を迎え、赤ちゃんが誕生すると、がらりと生活リズムが変わります。それまで夫婦の寝室1つで良かったはずが、昼夜問わず寝て起きるのを繰り返す赤ちゃんと、お世話するママ。一方でそれまでと変わらずに仕事にいかなければならないパパとでは、寝室を分けたくなるのが実情です。さらに兄弟が産まれ家族が増えると、その思いは深刻になってきます。必然的に、住まいについて決断を迫られてきます。この時期の住まいづくりは大変ですが、子育てに奮闘しながら、家族構成や生活スタイルなど、確定していく部分も多くあり、夫婦間である程度の価値観が共有されてくるので、同じ意識を持って住まいづくりをできるというメリットもあります。決断するタイミングは様々ですが、子供の小学校入学までに、というのが大きな節目のようです。 場所の選び方も変わってきます。夫婦2人の生活では、職場との距離を最優先して住まいを探すケースが多いのではないでしょうか。しかし子育てとなると安全に生活するために車の往来の激しさや、買物のしやすさ、公園、保育園、幼稚園や小学校までの距離なども考慮に入れる必用が出てきます。また子育てには周囲の力添えが欠かせません。それぞれの両親の家との距離や、自治体の子育てへの協力度も優先順位があがってきます。 住まいづくりを夫婦だけの問題とせずに、おじいちゃん、おばあちゃんと同居して、みんなで協力し合って子育てをするという選択肢もあります。余裕があれば玄関やキッチン、浴室を別にする二世帯住宅にすると、お互いに気を遣わずに居られる時間が持てます。 子育てと介護は家族だからこその重要なテーマで、住まい方も大きく関わる問題です。子供の成長を見守り、思い出を刻み込む家。色々な情報を集める事も大切ですが、まず家族や親戚間で話し合う機会を持つことが、最善の住まいづくりの近道になるかもしれません。
建築の話 · 20日 4月 2016
 東日本大震災をきっかけに、私たちのエネルギーに対する考え方は大きく変わりました。住宅に関しても対策を講じるべく、国交省によりそれまでの省エネルギー基準がさらに強化されました。一般的な住宅では努力義務として届け出が必用ありませんでしたが、今後数年の間に省エネ基準への適合義務化が目指されています。そもそも省エネ基準とは何なのでしょうか?40年ほど前に制定され、たびたび改正を加えられて変化してきた省エネ法の概要と変遷をたどってみましょう。  昭和54年、オイルショックをきっかけに省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)が制定されました。限られた燃料資源を有効利用し、エネルギーの使い方を合理化しようという目的の法律です。その後平成20年に内容が大きく改正されました。 省エネ法は、①工場等、②輸送、③住宅・建築物、④機械器具の4分野から構成されています。その中の住宅の断熱性能などに関する基準として、昭和55年に「住宅の省エネルギー基準」が定められました。  この基準はすべての住宅に対応したものです。現在は床面積300㎡以上の大きな規模の住宅にだけ、役所への届け出義務があります。また年間150戸以上の建売り住宅を供給している住宅事業建築主には「住宅事業建築主の判断基準」に則った報告義務があります。その他の住宅の建築主に省エネ措置の努力義務が求められるだけで、届け出の必用はありません。  その後、平成4年と11年、25年に改正され、その度に強化されてきました。平成11年までは住宅全体の断熱性能が強化されていましたが、東日本大震災をうけて見直された平成25年の基準では、住宅設備(暖冷房、換気、照明、給湯、太陽光発電などの再生可能エネルギー)によって達成できる指標が付け加えられました。これは建物全体の省エネ性能をよりわかりやすく把握することを目的としています。今後、国の方針では平成32年までに規模を問わず新築住宅の省エネ義務化めざしています。つまり、すべての新築住宅が必ず省エネ基準に適合しているか、届け出をすることになります。  省エネルギー法は他にも品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の基準となる住宅性能表示制度や長期優良住宅の認定基準と連動しています。求められる基準は現在のところ平成11年基準の断熱性能にかかる項目です。基準を達成する事により、住宅金融支援気候のフラット35での金利優遇や、国交省が定める補助金、減税などが受けられます。変化をうまく捉えて、上手に制度を活用したいものです。
建築の話 · 19日 4月 2016
2人での夢の新婚生活、そこにベビーが誕生すると、生活は一変します。昼夜問わず寝て起きるのを繰り返す赤ちゃんと、仕事にいかなければならないパパとでは、寝室を分けたくなるのが実情です。1DK、1LDKで成り立っていた生活も、そこで一気に壁にぶつかります。パパがリビングに布団を敷いて寝る、というのもよくある話です。...
建築の話 · 11日 4月 2016
 建物の工事も完成に近づき、仕上げの段階にさしかかった頃、玄関やカーポート、外構にコンクリートを打つ作業があります。コンクリートが固まるまでには半日〜数日ほどの時間がかかるので、そのタイミングに合わせて、家族で現場に足を運び、ちょっとした思い出の品を埋め込んだり、形を残すことができます。小さなお子さんは建築現場に入るのに注意が必用ですが、出来上がっていく過程を一緒に体験することで、何よりの思い出になりますし、家の掃除やメンテナンスなどへの、入居後の意識もかわっていくのではないでしょうか。幼稚園や学校など、子供の生活の中ではなかなかふれあえない職人さんとの時間も大きく心に残るはずです。  旅先で拾った石や貝殻、色の気に入ったビー玉、ホームセンターなどやタイルメーカーのショールームで入手したタイルなどを埋込むと、冷たい印象のコンクリート面も、にぎやかにデコレーションできます。また、その時にしか取れない記念の手形や日付を残すと、コストをかけずにちょっとしたアクセントになります。少し強めにぎゅっとコンクリート面に押し付けるときれいに手形がつきます。セメントはアルカリ性なので、皮膚に残ってかぶれたりしないように、手形をとった後は石鹸をつけて手をよく洗いましょう。  思い出の品はきっちり並べてもランダムにしても、渦巻き型などいろいろな図案を考えても良いのですが、万が一きれいにできなくても、それはそれで良い記念と思ってください。逆に常にきれいに仕上げられる職人さんの仕事がいかに経験に基づき洗練されたものなのか、気を配ったものなのか、気付いてもらえるはずです。また、ビー玉を埋込む際には、車が出入りする際に頻繁に下敷きになる部分を避けたり、滑ったりつまずきやすくなりそうな場所は避けて配置しましょう。  営業や工事監督の方に事前にできることを確認して、工事のスケジュールを教えてもらいましょう。コンクリートが硬化する時間は気温により左右されるので、夏と冬では数時間変わってきます。打ったばかりのコンクリートよりも少し固まった頃の方が沈みにくい事、固まりすぎると埋込めなくなってしまう事を考慮して、営業担当者に現場監督さんや職人さんと連絡を取ってもらい、適切な日時を確かめることをおすすめします。現場で働く職人さんたちも、お施主さんに会える時間はとても楽しみなので、集中して作業する妨げになる時間帯をはずせば、きっと笑顔で迎えてくれるはずです。
建築の話 · 07日 3月 2016
 産まれてから3〜4年は食事、排泄、お風呂などのお世話が必用な上に、ちょっと目を離した隙に家中を探検して段差を落ちたり、指を挟んだり、家の中でも休む間もなくハプニングが起こります。怪我をせずに安全に過ごせること、お世話をする側がなるべくストレスをためずに過ごせることも大切ですが、子育て期は、家で過ごす時間が、そのまま家族の物語の新しいページになります。家のどこにいても家族が何気なく会話でき、何となくつきあっていけるような、10年後、20年後も家族の繋がり方に融通が利くような、おおらかにのびのび過ごせることを大切にしましょう。 玄関 玄関は土足部分を広くとると便利です。またインナーガレージにするのも良い手段です。大人だけなら靴と傘の置き場で十分なのですが、それだけでなく、ベビーカー、三輪車や自転車、砂場用おもちゃなどが置けるスペースが必用になります。また幼少期はクツをはくのに時間がかかります。大人も一緒にしゃがんではかせてあげるためには玄関ドアから上がり框まで、90cm以上は欲しい所です。 回遊動線  雨や雪の日には外に出られず一日中家の中で過ごすこともあります。じっと座っていられないのが子どもですから、家の中でも動き回りたくなるものです。リビングからキッチンや洗面所につながり、そこからまた廊下や玄関を通ってリビングに戻ってくるといったエンドレスな動線になっていると、家中をくるくる走り回れます。途中にウッドデッキなど外部空間を取り入れるのも面白いでしょう。引戸を使って部屋が繋がっていると、開放したままでも安全です。 リビング 子供部屋をつくっても、小さいうちは誰かのそばにいなければ不安になってしまいます。おもちゃコーナー、絵本コーナーなどがリビングの一角にあると便利です。子どもは物の場所を体で覚えます。どこに何をしまえば良いか、わかりやすくしてあげることでお片づけも自主的にできるようになります。 2才頃までは、ハサミやカッターなど先の尖った物、薬やビーズなど誤飲の心配がある物は手の届かない場所にしまっておくようにしましょう。 また、思い出の写真やがんばって描いた絵など、いつでも眺められる場所に飾れるようなディスプレイコーナーもあると楽しみが広がります。窓辺でもいいですし、ニッチをつくっておくのも良いかもしれません。 キッチン 火や刃物を使うキッチンは、子供にとっては危険な場所ですが、キッチンで学べることもたくさんあります。安全で機能的な必用もありますが、余白をつくって子供の居場所をつくってあげることも、食育の面で大切です。食事の準備をしながらコミュニケーションをとり、自然に食べることに関心を持てるようになれると良いのではないでしょうか。 寝室、個室 フレキシブルな寝室、個室。ママやパパと一緒でなければ眠れなかった子どもたちも、いつの日か自分の部屋をもちたいと思うようになります。しかし、10年後の生活に合わせて部屋を考えたのでは、10年間は理想とかけ離れた暮らしをしなければなりません。変化しやすい状況にあわせ、間仕切り壁を後で追加するなど、変更することを想定して、大らかにプランしましょう。 つくり込まないでOK 家に合わせた作り付けの家具は理想ですが、子育て期は家族の人数もニーズも目まぐるしく変わります。しっかりつくり込んでも、予想通りに使われなかったりすることもあります。収納のためのスペースを確保することは大切ですが、家具や収納ケースなどを上手く利用したり、簡単な棚をDIYしたり、その時の生活に合わせて変更がしやすいようにしておく方が自分で手を加える楽しみも広がります。棚を付けたい時にはあらかじめ壁の下地を合板にしておくと安心です。
建築の話 · 08日 2月 2016
 普段の生活を振り返り、どの部屋にどのくらいの明るさが必用か、どんな風に過ごしたいかイメージをふくらませてみましょう。なるべく小さな窓で、囲われた安心感のある部屋にしたいのか、空や緑の眺められる見晴らしの良い部屋にしたいのかで窓の選び方は大きく変わるため、家づくりの早い段階で検討したい項目の1つです。キッチンやユーティリティ、洗面所など北側に配置されがちな空間も、トップライト(天窓)やハイサイドライト(高窓)をつかって自然光をうまく取り入れれば、明るい環境で作業できます。  また、間取りの延長で家の中の事に考えがいきがちですが、実は外部の環境をどう読み取るかが大切なポイントです。前面道路や周りの建物の状況から、影になる部分やオープンになる部分を読み取り、どの位置と高さに設けるかを考えます。透明ガラスにするか、すりガラスにするかも外部との関係で選択します。また、窓は外観を考える時の要素としてとても重要です。防犯性やプライバシーを確保しながらも、周囲の環境をうまく取り込んで広がりのある計画になるようじっくり考えましょう。  窓には採光と通風という2つの大きな目的があります。居室(リビングやダイニング、寝室や個室)には建築基準法で採光のために窓の面積は部屋面積の1/7以上、換気のためには部屋面積の1/20以上が必用と定められています。そのため、間取りを考えるとだいたい窓の面積や位置が決まってきます。それに併せて、部屋と部屋を抜けて風が流れるように、家全体で窓の位置をみていきます。  少し変わった窓のつくり方ですが、室内の部屋と部屋の壁につけるという方法もあります。家族のコミュニケーションの機会もアップしますし、吹抜けや階段の壁に個室とつなぐ窓を付けると家全体に光と風の通り道ができます。ゆるやかに家全体が一体空間になる事で、冬場のヒートショック(温かい部屋と寒い部屋の温度差による体への影響)も抑える事ができます。  注意しなければいけないのは、窓すなわち開口にすると、その分壁の強度が落ちるという事で、家の構造的な観点から窓の位置をもう一度チェックする必用があります。
建築の話 · 25日 1月 2016
昔から自然と共に生きる事の得意な日本人は、住まいの近くに落葉樹を植えて、葉が茂る夏は日差しを遮り、落葉する冬は日差しを得る事をうまく利用していました。建物だけでは四季の変化に対処しきれないことを謙虚に受け入れて、どうしたら自然の力をうまく使って快適に暮らせるか、工夫を重ねてきたのです。...
建築の話 · 14日 1月 2016
 新築するには、建築資材を運んだり、工事車両が入る為の道路が必用になることはもちろんなのですが、着工する前に必ず役所や指定確認機関などに建築確認を申請して、確認済証の交付を受けなければなりません。確認申請は建築基準法や消防法などいくつかの法律に適合した建築物になっているか確かめるためにあり、確認済証がないと、登記をしたり、銀行でローンを組む事もできません。その中の建築基準法に、接道義務(せつどうぎむ)といった項目があります。敷地が幅員4M以上の道路に2M以上接面していないと建物を建てることができないのです。(都市計画決定されていない区域では接道義務はありません。)実際に建築物を使用する上でも、道路から自由に出入りできるかどうかはとても重要です。  その法律の背景には、災害時の避難経路の確保や、消防車や救急車などの緊急車両のための経路の確保といった目的があります。また、敷地と道路が接していることは、敷地の一部が開放空間と接しているという意味でもあり、これは通風や排水など衛生上の問題からも大切なことです。また、水道やガス管は道路の下に埋設されている事が多く、他人の敷地を通らずに使用するためには接道の必用があります。  道路にはいくつか種類があり、大きく分けて公道と私道にわかれます。公道とは国道とか市道など公共で管理されているもので、私道とは個人の所有です。注意が必用なのは、建築基準法上では道路としては扱われない4メートルに満たない道路で、将来的に4mとして整備できるように、敷地をけずる形で道路境界線が設定されています。新築の際にはあらたな道路境界線に基づき計画しなければなりません。また、道路区域に擁壁や水路などがあり通行できない場合、そこが道路幅員に含まれない場合もあるの注意が必用です。そして、私道ですが、個人所有の公衆用道路の場合、通行はできますが、水道の配管を引き込む場合に持ち主の承諾が必要となります。次に個人所有の宅地などが道路になっている場合は、基本的に持ち主の承諾がないと通行できません。  接道していなくとも、全く支障がないケースもあります。例えば敷地が公園に接していて、そこから自由に出入りできる場合や、道路と敷地の間に水路があって、水路上に橋を架けて自由に出入りできる場合、建築基準法上は道路として扱われない農道や港湾区域内の道路から自由に出入りできる場合などです。周囲の状況や建築計画の内容から「交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がない」と認められ、許可を受けることができれば、接道していなくても建築行為が可能となります。  このように、新築する敷地が道路と繋がる事には深い意味があります。また、接道が2面以上となる事で建てられる建ぺい率が緩和されたり、道路の幅員により建築できる高さが決まったり、道路からの距離によって耐火の制限が決められていて使える素材が限られたり、道路からのセットバック距離が指定され敷地内での配置が決まったり、新築には道路との関連で決定される事もたくさんあるので、土地の購入や建築計画の際には接道する道路について詳しく調べる必用があります。