住宅の省エネルギー基準とは

 東日本大震災をきっかけに、私たちのエネルギーに対する考え方は大きく変わりました。住宅に関しても対策を講じるべく、国交省によりそれまでの省エネルギー基準がさらに強化されました。一般的な住宅では努力義務として届け出が必用ありませんでしたが、今後数年の間に省エネ基準への適合義務化が目指されています。そもそも省エネ基準とは何なのでしょうか?40年ほど前に制定され、たびたび改正を加えられて変化してきた省エネ法の概要と変遷をたどってみましょう。

 

 昭和54年、オイルショックをきっかけに省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)が制定されました。限られた燃料資源を有効利用し、エネルギーの使い方を合理化しようという目的の法律です。その後平成20年に内容が大きく改正されました。

省エネ法は、①工場等、②輸送、③住宅・建築物、④機械器具の4分野から構成されています。その中の住宅の断熱性能などに関する基準として、昭和55年に「住宅の省エネルギー基準」が定められました。

 

 この基準はすべての住宅に対応したものです。現在は床面積300㎡以上の大きな規模の住宅にだけ、役所への届け出義務があります。また年間150戸以上の建売り住宅を供給している住宅事業建築主には「住宅事業建築主の判断基準」に則った報告義務があります。その他の住宅の建築主に省エネ措置の努力義務が求められるだけで、届け出の必用はありません。

 

 その後、平成4年と11年、25年に改正され、その度に強化されてきました。平成11年までは住宅全体の断熱性能が強化されていましたが、東日本大震災をうけて見直された平成25年の基準では、住宅設備(暖冷房、換気、照明、給湯、太陽光発電などの再生可能エネルギー)によって達成できる指標が付け加えられました。これは建物全体の省エネ性能をよりわかりやすく把握することを目的としています。今後、国の方針では平成32年までに規模を問わず新築住宅の省エネ義務化めざしています。つまり、すべての新築住宅が必ず省エネ基準に適合しているか、届け出をすることになります。

 

 

 省エネルギー法は他にも品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の基準となる住宅性能表示制度や長期優良住宅の認定基準と連動しています。求められる基準は現在のところ平成11年基準の断熱性能にかかる項目です。基準を達成する事により、住宅金融支援気候のフラット35での金利優遇や、国交省が定める補助金、減税などが受けられます。変化をうまく捉えて、上手に制度を活用したいものです。