ハーブの育て方・増やし方

香料やスパイスなど、ハーブは製品として私達の生活にますます身近になっていますが、実際に育てて収穫したハーブを利用するのもそれほど難しいことではありません。種子まきして芽が出るまでの待ち遠しい気持ち、日照りや害虫に負けずにたくましく育つ姿を見守ることで、収穫の時にはいっそう喜びを感じられることでしょう。

 

ハーブの生活型

ハーブにはさまざまな生活型があり、茎が木化する木本(もくほん)と木化しない草本(そうほん)とに分けられます。木本は多年性で、冬に葉を落とす落葉種と一年中葉を付けている常緑種があります。草本には一年草、二年草、多年草の3通りがあります。一年草、二年草は毎年種子をまいて育てます。春まきと秋まきがあり、春まきが良い物はバジルやナスターチウム、秋まきはディルやコリアンダーなどがあります。二年草にはパセリなどがあります。多年草のハーブは冬が来て茎や葉が枯れても根が残っていればまた春になると芽を吹き返します。レモンバームやミント類、ラベンダーなどです。

 

ハーブの気候型

人にもそれぞれの生まれ故郷があるように、ハーブにもまた生まれ育ったふるさとがあります。上手に育てるためには、その原産地の気候、風土を理解することが大切です。大きく分けて4つの気候型があります。

 

●地中海沿岸タイプ:梅雨から夏にかけての湿気に注意します。冬には防寒してあげましょう。(ローズマリー、セージ、マロウ、サボリー、タイム、カモマイル、ラベンダーなど)

●ヨーロッパ中緯度地帯タイプ:寒さに比較的強いのですが、梅雨から夏の蒸し暑さに注意が必用です。(ルバーブ、タラゴン、セルリー、ホップなど)

●東南アジア&中米タイプ:乾燥させないように注意しましょう。冬には室内に取り込む方がおすすめです。(バジル、レボングラス、セージなど)

●東アジア&日本タイプ:おなじみの植物です。(三つ葉、ミョウガ、サンショウ、ドクダミ、シソ、ふきなど)

 

水やりのポイント

ハーブの主な原産地である地中海沿岸やヨーロッパ中緯度地帯では、降水量が日本に比べてかなり少なく、日本のおよそ半分です。日本には梅雨と秋雨がありますが、この2つの雨の期間を合わせた3ヶ月の間にヨーロッパの約1年分の雨が降ってしまうのです。そのため、一般的にはやや乾燥気味にした方が徒長せずに丈夫に育つようです。

 

土づくりのポイント

ハーブに限らず、植物を育てるためには土が必用です。最近はハーブ専用の混合用度が市販されていますので手軽に始めるには良いでしょう。慣れてきたらそれぞれのハーブに合わせて用土を調合しましょう。地中海沿岸産のハーブは酸性度を嫌うので、日本で育てるためには石灰を施して中和し、さらにリン酸を施すなど、性質にあわせた土づくりが必用になります。

 

ハーブの増やし方

ハーブの増やし方には種をまく、挿し木と株分けがあります。この3通りの方法をマスターすれば、ハーブだけでなく殆どの植物をふやして楽しむことができます。

種子まき

種子を収穫や鑑賞を予定する場所に直接まくのが「じかまき」です。フェンネル、ディルなど移植を嫌うハーブやバジルなど種子が大きめで発芽しやすいハーブはじかまきできます。ポイントは十分な土づくりと日光が当たる場所を選ぶことです。また、育苗用のセルトレイやポリポットにまいて、ある程度育った所で移植するという方法もあります。ハーブによって発芽適温が違うので、適期に種をまきましょう。発芽したら、生育の悪いものを間引き、移植や定植をしながら育てます。ハーブの性質によっては夏越しや冬越しの処置が必用になります。原産地や耐寒温度を把握しておきましょう。

 

挿し木

挿し木とは、葉、茎、枝、根などの一部をとって土や水に挿し、根や芽を再生させて独立した個体を育てることです。ミント、ローズマリー、ラベンダーなどは挿し木で容易にふやせます。

 

株分け

株分けとは、自然にふえた株を掘り起こして分割することです。自然状態で増えた株を分割するだけなので、安全で簡単です。また、栽培管理の面でも大切な作業です。株が大きくなったり古くなったりすると、株の中の風通しや日当りが悪くなるので、株分けによって悪い環境が取除かれ、病害虫の予防、生育促進、株の若返りにも効果があります。手で根を引きちぎるかナイフなどで切り分け、小鉢などに植えて育てます。ミント、タイム、レモングラス、チャイブ、キク類などで可能です。

 

 

 

丈夫に育てて、収穫や花を楽しむために、こまめに植物の状態をチェックしてなるべく早期に病害虫を発見して取除いたり、茂り過ぎに注意して剪定や株分けを行っていきましょう。